サムラッチ錠は、古い住宅やアンティーク調の玄関ドアなどでよく使用される錠前ですが、長年使用していると経年劣化による不具合が生じることがあります。
もし10年以上、同じサムラッチ錠を使っていて『動作に問題がある』という場合は、そろそろ交換を検討してみてもいいかもしれません。
この記事では、サムラッチ錠の交換部品の選び方や鍵屋に依頼した場合にかかる費用などについて解説いたします。
実際に生活救急車でご対応した「施工事例・料金事例」も載せておりますが、現場見積りも無料で行っております。正確なご料金が知りたい場合は、一度、無料の現地見積りをご利用ください。
※DIY、自己修理作業に関するお問い合わせは、すべてお断りしております。
サムラッチ錠の種類と部品の選び方
サムラッチ錠を交換する場合、当たり前ですが「新しいサムラッチ錠」が必要になります。
自分で交換する場合はもちろんですが、鍵屋に依頼する場合でも、見積り書の内容をチェックするために、部品に関する予備知識があると安心です。
ここではまず、サムラッチ錠の種類や部品の選び方について解説したいと思います。
サムラッチ錠と装飾錠はほぼ同じ鍵
サムラッチ錠を自分で購入するためにGoogleの画像検索を使うと「見た目はウチのと同じ鍵なのに、サムラッチ錠じゃなくて『装飾錠』って書かれている」といった場面に遭遇することがあると思います。
サムラッチ錠は「サム(親指)でラッチを操作して開けられる錠前」のことで、装飾錠は「装飾が施された錠前」のことなのですが、日本の家屋に取り付けられているサムラッチ錠は装飾が施されたモノが多いので、「サムラッチ錠=装飾錠」という認識で大丈夫です。
ただし、サムラッチ錠も装飾錠も「家に付いているものと見た目が似ていても、取り付け面の規格が同じとは限らない」ので、鍵を自分で購入する際は「寸法・規格」をしっかり確認しましょう。
サムラッチ錠の種類は2つ
サムラッチ錠には、「シリンダーとハンドルが一体になっている」のものと「シリンダーとハンドルが分かれている」ものの2種類があります。
それぞれ、「シリンダーもしくはハンドルのみの交換が可能かどうか」や「部品選びでよくある失敗」などが違うので、次の見出しより分けて解説いたします。
シリンダーとハンドルが一体型の場合
まず、シリンダーとハンドルが一体になっているサムラッチ錠を交換する場合は、シリンダーもしくはハンドルのみの交換は『できません』。
一体型のサムラッチ錠は、製造工程の段階でシリンダーとハンドルが組み合わせっており、鍵屋でも片方だけ分解して交換するといった対応ができません。
そのため、今使っているサムラッチ錠が「シリンダー・ハンドル一体型」の場合は、購入するサムラッチ錠も同じ一体型のものを選ぶようにしましょう。
シリンダーとハンドルが分かれている場合
シリンダーとハンドルが分かれているサムラッチ錠の場合は、「シリンダーのみ」または「ハンドルのみ」の交換が可能です。
この場合、シリンダーは取り付け穴の口径が合う規格の製品であれば『今ついているものと別のメーカー・シリーズ』のものに交換することができます。
ハンドルも取り付け穴や各種寸法が合う製品であれば、別メーカー・シリーズのものを取り付けることは可能です。
しかし、ハンドル部分の「装飾」が今付いているものよりも小さいものに交換しようとすると、「以前のビス穴や錠前の日焼け部分が見える」ことがあります。
動作に問題がなければ、そのまま使っても問題ありませんが、店舗などで「見た目が不格好なのは、商売上よくない」ということであれば、装飾部分の寸法もしっかり採寸した方がいいでしょう。
新しい部品を取り寄せるときは「寸法・規格」確認が必要
鍵の交換をDIYで行う場合は、既存の取り付け穴の規格に合ったサイズの鍵を準備する必要があります。
サイズが間違っているとそのまま取り付けることができず、ドアを加工して取り付けることになりますが、ドアの加工は個人で行うことが難しいため専門の業者に依頼することになります。
自分で交換を検討しているときは、下記の寸法・規格を確認して適したものを購入しましょう。
- 【新しい部品の寸法・規格確認方法】
- ・ドアの厚み
- ・フロントプレート(ドア側面の金属板)の長さ・幅
- ・ビスピッチ(フロントプレートを固定しているビスの中心同士の距離)
- ・バックセット(ドアの側面からシリンダーの中心)の距離
鍵の寸法はある程度範囲が広く設定されているため、少々ズレていても取り付けられる場合もありますが、初めて部品を購入するならしっかり測っておくと安心です。
サイズ選びが不安な方で、『デザイン・防犯性・鍵の性能などに特にこだわりがない』なら、既存の鍵と全く同じ製品を選べば確実に取り付けることができます。
まったく同じ部品を選ぶときは、ドア側面に刻印されているメーカー名・型番をインターネットで検索することで見つけられます。
サムラッチ錠の交換は自分でできる?
サムラッチ錠を新しい錠前に交換する作業は、正しい部品が準備できれば自分でも行うことができます。
ただ、シリンダー(鍵穴)のみの交換作業に比べると、錠前ごとの交換の難易度は高くなるため、無理に交換しようとすると失敗してしまうリスクもあります。
『一度もDIYを行ったことがない、鍵の交換は初めて』という方にとって、サムラッチ錠の交換は難しく感じるかもしれません。
一方で、『もともとDIYが得意で鍵の扱いも慣れている』という方なら、交換できる場合もあるので挑戦してみてもいいでしょう。
次の見出しからはサムラッチ錠の交換方法についてご紹介しているので、DIYを検討している方は参考にしてみてください。
交換するときの流れ
サムラッチ錠の交換は正しい部品が準備できれば、DIYで行うことも可能です。
『鍵屋に依頼する前に一度自分で交換してみたい』、『あまり交換費用をかけたくない』という場合は、下記の手順に沿って行ってみてはいかがでしょうか。
- 【サムラッチ錠交換の簡単な流れ】
- 1.古い錠前を取り外す
- 2.新しい錠前を取り付ける
- 3.動作確認を行う
それぞれの手順の詳しいポイントについては、次の見出しからご紹介しているので是非チェックしてみてください。
また、錠前の交換を行う際は『必ずドアを開けた状態で』作業を行いましょう。
ドアを閉めた状態でドアノブを外してしまうと、ドアが開かなくなってしまう恐れがあるので注意が必要です。
古い錠前を取り外す
まずは、室内側の古いサムラッチ錠から取り外していきます。
サムターンのすぐ下を固定しているビス2個と、ドアノブの真下を固定しているビス1個をドライバーで緩めて室内側のサムラッチ錠を取り外します。
次に室外側のドアノブの真下に取り付けられているビスを緩めて外し、室外側のサムラッチ錠も取り外します。
ドアノブとシリンダーが取り外せたら、ドア側面に設置されている錠ケースを固定している2ヶ所のビスをゆるめて外し、錠ケースも引き抜きます。
室内側に取り付けられているドアノブが一般的な握り玉ドアノブの場合は、台座を固定しているビスもしくは台座に開いている小さな穴にキリなどを差し込んで取り外します。
新しい錠前を取り付ける
新しい錠ケースを取り付け穴に差し込んで、上下2ヶ所のビスを締めて固定します。
室外側のドアノブ下部に引き足を取り付けてから取り付け穴に差し込み、、室外側のドアノブを手で抑えながら室内側のドアノブをネジで仮止めしておきます。
付属の新しいシリンダーをケース内の穴に合うように差し込み、手で押さえながら、室内側のサムターンを設置して固定します。
仮止めしたドアノブのネジを、緩みがないようにしっかり締めて固定したら取付は完了です。
動作確認のポイント
最後に、問題なく操作が行えるか動作確認を行います。
万が一鍵やラッチに不具合が発生していたときにドアが開かなくなってしまうことがあるため、必ず『ドアを開けた状態で』確認を行いましょう。
動作確認を行うときのポイントは『施錠・解錠操作が問題なく行えるか』、『ツマミを押したらきちんとラッチが動くか』をチェックしましょう。
鍵がうまく回らなかったり、ラッチの操作が行えない場合は取付時にどこかに不具合が発生している可能性が考えられるので、再度取り付け直すか鍵屋に相談することをおすすめします。
サムラッチ錠の交換で注意すること
サムラッチ錠への交換をDIYで行うときは、いくつか注意点があります。
他のシリンダーや錠前に比べて出回りが少ないサムラッチ錠は、部品を揃えるのが難しいうえに、間違った部品を購入してしまっても返品することができません。
サムラッチ錠はデザイン性が高いことから他の錠前に比べると本体価格も高額になるため、買い直しとなると損する金額も高くなってしまいます。
DIYで交換を検討している場合は、下記の2点に注意して行いましょう。
廃盤になっていることが多い
サムラッチ錠は、昭和後期~平成初期にかけて住宅の玄関によく用いられていた錠前の種類で、近年ではあまり見かけなくなっています。
そのため古い錠前を使用している場合はまったく同じ製品が廃盤となってしまっていることが多く、別の製品に交換が必要となります。
既存の錠前と規格や寸法が同じ製品ならそのまま交換を行うこともできますが、サイズが合うものが見つからなければ扉に加工を行う必要があるため、個人で作業を行うことが難しくなります。
部品を探してみて、ドアの規格に合うものが見つからないときは、無理せず鍵屋に交換の依頼をすることも検討してみてください。
購入した鍵・錠前は返品できない
基本的に鍵や錠前は、防犯上の観点から一度購入した商品の返品・交換を行うことはできません。
一度人の手に渡った鍵は『合鍵が作られている可能性』があり、防犯性を維持することができなくなってしまうからです。
間違ったものを購入してしまった場合は適切な鍵を再度買い直すか、鍵屋に依頼して取り付け穴を加工する作業が必要となります。
DIYが初めてで正しい部品選びに自信がないという方は、余分な出費を増やさないためにもあらかじめ鍵屋に依頼した方が安く済むこともあります。
サムラッチ錠交換を業者依頼する費用について
サムラッチ錠の交換を鍵屋に依頼したときの費用は、40,000円~80,000円程度が相場料金となっています。
サムラッチ錠は他の錠前に比べて本体価格が高い傾向にあるため、選ぶ製品によっては10万円を超えることもあります。
このように、どんな部品を選ぶかによって費用は変わってくるため、正確な料金を知りたい場合は現地でのお見積りをご利用ください。
ただ、依頼する前にある程度料金を知っておきたいという方もいらっしゃると思うので、生活救急車で対応した場合の料金表と、実際の事例をご紹介します。
サムラッチ錠交換の料金表
生活救急車で、サムラッチ錠の交換を行う場合の基本料金表をご紹介します。
鍵屋への依頼を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
作業内容 | 作業料金(税込み) |
---|---|
鍵交換 シリンダー交換 | 11,000円₊部品代 |
錠前交換 | 25,300円₊部品代 |
生活救急車で対応したサムラッチ錠交換の施工事例
鍵屋にサムラッチ錠の交換を依頼した場合、現場の状況によって行う作業や費用が異なるため、正確な料金に関しては現地でのお見積りにてご案内しております。
ただ、依頼する前に大体の料金でも知っておくと安心できると思うので、ここでは生活救急車で実際に対応したサムラッチ錠の交換作業費用の事例をご紹介します。
玄関のドアノブ交換
玄関ドアのドアノブの、調子が悪いとのご依頼をいただきました。
GOALのサムラッチ錠がついており、ボタンを押すのが固く開きづらいとのことでした。
使用年数は30年程度出錠前を分解してみましたが、錠ケースもサムラッチ自体も固い状態でした。
ご相談の結果、同タイプの部品交換にて対応いたしました。
項目内容 | 料金(税込) |
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玄関のドアノブ交換 | 25,300円 |
GOAL 部品代 | 18,700円 |
合計 | 44,000円 |
玄関ドアのサムラッチ錠交換
玄関サムラッチ錠が、解錠できない状況でご依頼をいただきました。
経年劣化による錠前故障が原因と推測されたため、NAGASAWA社製のサムラッチ空錠を使用して交換を行いました。
項目内容 | 料金(税込) |
---|---|
玄関ドア錠交換 錠前 | 25,300円 |
NAGASAWA 部品代 | 29,700円 |
合計 | 55,000円 |
店舗入り口の錠前交換
店舗入り口のドアレバーが固くてt開かなくなり、強い力で回したら開いたが、レバーが壊れてしまったとのご相談をいただきました。
サイズや見栄えも考えてサムラッチを提案し、交換を行いました。
項目内容 | 料金(税込) |
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出入口ドア錠前交換 | 25,300円 |
出入口ドア加工 中作業 | 22,000円 |
MIWA 部品代 | 12,100円 |
合計 | 59,400円 |
玄関ドアの錠前交換
玄関の鍵に、不具合が起こっているとのことで訪問しました。
経年劣化により、扉外側の親指で下に押すサムラッチというドアノブが物理的に破損しており、外側から扉がかなり開けづらい状況でした。
部品をお取り寄せし、交換施工させていただきました。
項目内容 | 料金(税込) |
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玄関錠前交換 | 25,300円 |
LIXIL 部品代 | 34,540円 |
LIXIL 部品代 | 17,160円 |
合計 | 77,000円 |
サムラッチ錠交換なら鍵屋の生活救急車にお任せください!
サムラッチ錠への交換は、一般的なシリンダーや錠前の交換に比べて難しい作業となります。
『作業の途中でわからなくなってしまった』、『部品選びに自信がない』といった場合は、鍵屋への依頼をご検討ください。
生活救急車でも、サムラッチ錠への交換作業を承っております。現地で無料のお見積りから対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。