玄関引き戸に取り付けられる電子錠の種類をお探しではありませんか?
オートロックやスマホ解錠などさまざまな機能を搭載した電子錠は、引き戸にも設置できる種類があります。
引き戸用電子錠をはじめて設置するときは『まずどんな電子錠が引き戸に対応しているのか』などの選び方からチェックしておきたいと思います。
そこで今回は、玄関に取り付けられる引き戸用の電子錠についてご紹介いたします。
玄関引き戸に設置できる電子錠の種類を一覧でご紹介
開き戸用と比べると数は少なくなるものの、引き戸用電子錠にもさまざまな種類があります。
実際に引き戸に取り付けるときは、種類ごとの特徴や違いをあらかじめチェックしておき、引き戸の構造や使用目的に合ったものを選ぶようにすると、より快適に使いやすくなると思います。
そこでまずは、玄関引き戸に設置できる引き戸錠の種類を、設置方法や設置場所別にご紹介いたします。
『後付け』するタイプの引き戸用電子錠
電子錠の本体機器を購入して取り付けるタイプは、引き戸に後付けで設置することが可能です。
後付けの方法は、引き戸の場合だとおもに『扉に穴あけ加工をする』『粘着テープで取り付ける』の2種類となります。
それぞれの設置方法の特徴については、次の項目でご紹介いたします。
穴あけ加工で後付けする引き戸用電子錠
穴あけ加工で取り付ける引き戸用電子錠は『扉に穴をあけて室内機と室外機を接続し、戸枠にも穴あけ加工をしてストライクを取り付ける』という手順で設置します。
施錠すると、室内機のデッドボルトがストライクに収まって引き戸をロックする、という仕組みになっています。
穴あけのサイズは機種によって決まっているため、DIYで取り付ける場合は対応した直径のホールソーを用意する必要があります。正確な穴あけや取付作業に自信がない場合は、鍵の専門業者に依頼することも検討してみましょう。
粘着テープで後付けする引き戸用電子錠
粘着テープで引き戸に後付けするタイプは、本体裏面の両面テープで扉の表面にそのまま貼り付けるだけで設置できます。室外機はなく、『室内機のみ』の製品に採用される設置方法です。
穴あけやネジ留めなどの加工工事が不要のため、賃貸物件でも取り付けやすい利点があります。
ただし、室内機のみで鍵を操作するため、解錠方法は基本的にスマホやリモコンキーなどの遠隔操作のみとなります。『外側から、暗証番号やICキーで解錠したい』などの解錠方法には対応していない点に注意しましょう。
後付けが難しい・リフォームや新築の場合は『先付け』タイプの電子錠もあり
新築やリフォームなどで玄関引き戸を新しく施工する場合、施工会社に希望することでドアの構造に電子錠を組み込める可能性があります。
『後付けすると不格好に見えるのが気になる』『自宅の引き戸では後付けに対応できそうな引き戸用電子錠がない』といった場合は、電子錠を取り付けられる引き戸にリフォームして対応する方法も検討することができます。
新しい引き戸に電子錠を設置できるかどうかは、取り付けたい引き戸の種類や引き戸・引き戸まわりのサイズ(厚み・大きさなど)によっても異なるので、施工前の見積もりや設計の段階で希望を伝えて確認しておくといいでしょう。
先付けタイプの引き戸用電子錠は『電源で動く』タイプの場合もある
電子錠とは基本的に『電池からの電源で動くタイプの鍵』という位置づけになっています。
一方で、先付けタイプの電子錠は『最初から電気で動く鍵を使う想定』で引き戸を施工するため、本体に直接電源を引くことで確保する場合もよくあります。
この場合は『電気錠』という分類になり、厳密にいうと電子錠とは異なるタイプの鍵となりますが、使い勝手の面では大きな違いはほとんどありません。
電気錠は電池切れの心配はありませんが、停電やブレーカー落ちなどで使えなくなってしまう点に注意が必要です。
引き戸用補助錠は『戸先』に取り付けるタイプが多い
戸先とは、『引き戸を閉めたときに戸枠とぶつかる方』の扉の端の部分のことです。戸先に電子錠を取り付けた場合、扉を1枚だけロックすることができます。
ちなみに、後付けするタイプの電子錠はほとんどが戸先に取り付けるタイプとなっています。
引き戸が2枚以上ある『引き違い戸』に電子錠を設置したいときは『それぞれの戸先に取り付ける』か、『片側の戸先は基本的に施錠して動かさないようにしておく』などの方法で取り入れる形になるかと思います。
『召し合わせ』に設置できる電子錠は非常に数が少ない
召し合わせとは、2枚の引き戸が重なった部分のことをいいます。召し合わせ部分に鍵をつける『召し合わせ錠』は一般的な引き違い戸のほとんどに設置されており、施錠すると2枚の引き戸が同時に施錠される形になります。
しかし、召し合わせ錠は2枚の扉を貫通する形で取り付ける必要があるため、電子錠だと後付け・先付けともに適合する規格の製品があまり見つからないのが現状です。
ただし、電子錠ではなく『暗証番号で解錠するメカニカルな構造の鍵』には、一部で召し合わせへの設置に対応した種類もあります。
『室内サムターン』に取り付ける引き戸用電子錠は設置が簡単
比較的最近の引き戸錠前では、開き戸の内鍵と同じサムターン(つまみを回して開ける内鍵)が一部で採用されています。
引き戸にサムターンがついているときは、『室内側のサムターンに取り付ける』タイプの電子錠を設置できる場合があります。
サムターンに取り付ける電子錠は一般的には『スマートロック』と呼ばれており、スマホアプリと連動して鍵の操作を行います。
スマートロックはサムターンにかぶせる形で設置し、遠隔操作でサムターンを動かすことで施錠・解錠を行うため、引き戸錠の種類によっては既存の鍵をそのまま電子錠として使うことができます。
サムターンに取り付けるタイプは『つまみの高さ』に注意
サムターンを操作するタイプの電子錠は、電子錠の本体でつまみ部分をつかんで動かす仕組みになっているため、つまみにある程度の高さがないと取り付けることができません。
引き戸用のサムターンは『扉にくぼみを作って、くぼみに台座とサムターンを取り付ける』構造になっていることもよくあり、この場合はつまみが扉から出っ張っていないため電子錠を適用できない可能性が高いです。
玄関の引き戸用電子錠の特徴と選び方
ネットショップなどで検索して、自分で引き戸用電子錠を購入する場合はとくに購入間違いに注意したいですが、引き戸用の電子錠がどんな構造・特徴をしているのかをあらかじめ理解しておくと失敗しにくくなるかもしれません。
そこでここからは、玄関の引き戸用として設置できる電子錠の特徴や選ぶときのポイントなどについてご紹介したいと思います。
引き戸用電子錠の特徴的な機能
電子錠はシリンダーに鍵を差し込むタイプの鍵にはないさまざまな機能を利用することができます。
ただし、機種によって搭載されている機能には違いがあるため、購入時は検討している電子錠にどんな機能がついているのかをあらかじめよく確認しておきましょう。
ここでは、引き戸用電子錠に搭載されていることが多いおもな機能を一部ご紹介したいと思います。
機能 | 特徴 |
---|---|
オートロック | ドアを閉めると、自動で施錠される機能。鍵の閉め忘れがなくなるメリットがあるが、鍵を持たずに外出して締め出されるデメリットにも注意 |
アプリ認証 | 電子錠専用のアプリにスマホを登録することで、スマホを鍵として使える機能 |
リモコンキー | 鍵やアプリに登録したスマホを持った状態で、電子錠本体に近づく・電子錠のタッチキーを押すなどの動作を行うと自動でロックが解除される機能 |
ICカード認証 | ICカードの情報を電子錠に登録して、カードキーをかざして解錠する機能。 ICカードは電子錠専用のものや、一部ではSuicaなどもともと持っているICカードを鍵として登録することもできる |
暗証番号 | 設定した暗証番号をタッチして、キーレスで解錠を行う。 暗証番号を続けて間違えるとアラームや操作不能にする機能がついていると、よりセキュリティ性がアップする |
指紋認証 | 登録した指紋を読み取って解錠する機能。セキュリティ性・利便性ともに高い反面、一般向けの製品だとエラーも多い |
アラーム装置 | ドアがきちんと閉まっていないとき、こじ開けなど異常な動きを感知したとき、電池の寿命が近いときなどにアラームを鳴らす機能。 搭載されているアラームの有無や種類は機種ごとに異なる |
引き戸用電子錠が一般的な電子錠と異なる点は基本的に『ロックの構造』のみとなるため、機能面においては基本的に開き戸と同じものが使えるようになっています。
引き戸用電子錠を選ぶときは『デッドボルトやストライクの形』をチェック
扉の鍵は基本的に『施錠するとデッドボルト(かんぬきのような部品)が飛び出してストライク(錠受け)に納まり、扉の動きをはばむ』ことでロックをかけていますが、引き戸と開き戸ではドアの開け方が異なるため『デッドボルトの出方』も変わってきます。
開き戸・ドアは前後に動くため、デッドボルトは棒のようなシンプルな形をしていることが多いですが、横に動く引き戸は『デッドボルトが鎌やフックのような形をしている』もしくは『ストライクが横に動かない向きや構造になっている』ことが必要になります。
たとえばECサイトなどで『電子錠 引き戸』と検索してヒットした製品でも、デッドボルトまたはストライクに上記の特徴がない場合は引き戸錠として使うのが難しいため、自分で探して購入する場合は注意しておきましょう。
玄関の引き戸用電子錠のおすすめ4選
ここでは、AmazonなどのECサイトで販売されている引き戸錠電子錠の一部をご紹介したいと思います。
『ネットショップで電子錠を検索したけれど、引き戸に取り付けられるのがどれかわからない』などで選び方に迷ってしまったときは、ぜひ参考にしてみてください。
ES-F500H 引き戸(スライドドア)用 電子錠
暗証番号・ICカード・指紋認証の3通りの解錠方法を搭載した、穴あけ加工タイプの引き戸用電子錠です。
デッドボルトがT字の形状をしているため、引き戸・スライドドアの玄関ロックにも対応できます。
こちらはかざして解錠ができる専用のICキーホルダーが付属されており、鍵をなくしやすい方やお子さんに持たせる鍵としての活用などにおすすめです。
EPIC 電子錠 TOUCH HOOK 2
スリムでシンプルな形状の本体でさまざまなデザインの引き戸にもなじみやすい、引き戸対応の電子錠です。
デッドボルトは縦方向に飛び出るタイプを採用しており、玄関引き戸のような重いドアでもしっかりと施錠しやすい構造になっています。
扉厚が足りないときに取り付けるスペーサーが別売りされているなど、設置しやすくするためのサポートやオプションも充実しています。
セサミ mini スマートロック
室内側のサムターンに取り付けて、スマホアプリで施錠・解錠を行うタイプの電子錠です。
本体が小型でコンパクトなサイズをしているため、『ガラスをアルミ枠で囲んだデザイン』など構造上の問題で貼り付け面が大きく取りにくい引き戸でも、比較的取り付けやすい利点があります。
スマートスピーカー『アレクサ』『グーグルホーム』にも対応しており、『リビングに置いたスマートスピーカーに声をかけて、引き戸を遠隔操作で施錠する』といった使い方も可能です。
鍵穴のないリモコンドアロックREMOCK (リモック)
室内機のみ・両面テープで取り付けるタイプの電子錠です。
サムターン操作ではなくデッドボルトで施錠する構造の電子錠なので、引き戸にサムターンが付いていない・スマートロックの機器を取り付けられないタイプのサムターンが付いている場合でも設置できます。
引き戸に取り付ける場合は、付属キャッチを戸枠に取り付けてから、『縦方向』に本体を取り付けると引き戸錠として使えるようになります。
玄関の引き戸用電子錠一覧と特徴まとめ
今回は、玄関の引き戸用電子錠の一覧と特徴などについてご紹介させていただきました。
引き戸は開き戸とは構造が異なるため、電子錠を取り付ける場合は『引き戸用』の機種を選ぶ必要があります。
ネットショップなどで自分で購入する場合は、引き戸用電子錠の設置方法や特徴を把握し、取り付けたい場所の寸法などに対応した機種を探してみると後付けがしやすくなると思います。
今回ご紹介した内容も参考にしながら、お使いの引き戸に合った使いやすい電子錠を選んでみてください。