ディンプルキーの防犯性がわからなくて困っていませんか?
防犯性の高い鍵を調べていると決まって出てくるのが『ディンプルキー』ですが、防犯性が高いといわれている理由って何?と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
ただ、ディンプルキーといってもさまざまな製品が販売されていて、すべてが防犯性が高いとは言い切れないのも事実です。
そこで今回は、ディンプルキーの防犯性能やセキュリティの高い鍵の見分け方をご紹介したいと思います。
- ディンプルキーの防犯性能は本当に高いの?
- 鍵の防犯性能が高いかどうかは指標を見たら分かる
- ディンプルキーで合鍵が作れないのは『登録制シリンダー』
- 防犯性能を調べるのが難しいときは『CPマーク』をチェック
- 防犯性の低いディンプルキーの特徴
- 鍵板が短いディンプルキーは防犯性も低い
- CPマークがないディンプルキーは要注意
- ディンプルキーの防犯性能を鍵メーカー製品別に比較
- MIWAのディンプルキーの防犯性能比較表
- GOALのディンプルキーの防犯性能比較表
- KABAのディンプルキーの防犯性能比較表
- 防犯性の高いディンプルキーへの交換にかかる費用
- 鍵屋でディンプルキーを交換した際の料金事例
- ディンプルキー以外の玄関の防犯対策
- 補助錠によるワンドアツーロック
- 脱着式サムターンでサムターン回しを阻止
- ディンプルキーの防犯性能まとめ
ディンプルキーの防犯性能は本当に高いの?
防犯性の高い鍵を調べていると、『ディンプルキー』と呼ばれる鍵を目にすることが多いと思います。
ディンプルキーは一般的に思い浮かべるギザギザした形状の鍵とは異なり、表面や側面に無数の凹凸が空いている物を示します。
ただ、このディンプルキーといってもすべてが防犯性が高いというわけではなく、製品によってはあまり防犯対策としては不十分なものもあります。
防犯性の高いディンプルキーを選ぶためには、機能性や指標などを確認することがおすすめです。
次の見出しからは、防犯性の高いディンプルキーを選ぶためのポイントをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
鍵の防犯性能が高いかどうかは指標を見たら分かる
ディンプルキーに限らず、鍵の防犯性能が高いかどうかを判断したいときは『理論鍵違い数』や『耐ピッキング性能』、『鍵穴壊し性能』をチェックしましょう。
理論鍵違い数 | 鍵のパターン数を示すもの |
---|---|
耐ピッキング性能 | ピッキングによる解錠を防ぐことができる性能 |
耐鍵穴壊し性能 | 工具などによってシリンダーを破壊する手口を防ぐ性能 |
シリンダーの指標にある理論鍵違い数は、簡単に言うと『鍵のパターン数』を示すものです。例えば『理論鍵違い数』が1億と記載されているシリンダーは1億通りの構造があるということになり、数が多いシリンダーを選ぶほど防犯性を高めることができます。
また、耐ピッキング性能は、特殊な工具で鍵穴内部の『ピンやタンブラー』を操作して不正に解錠する手口である『ピッキング』を防ぐための性能です。
主に5分未満、5分以上、10分以上と時間で表されていて、10分以上開錠に耐えられるものは、ピッキングがほとんど不可能といわれています。
さらに耐鍵穴壊し性能は、工具やバンプキーと呼ばれる特殊な鍵を使用して鍵穴を壊して開錠する手口を防ぐための性能です。
ピッキングと同じく5分未満、5分以上、10分以上と時間で表されています。時間が長い物を選ぶほど、防犯性を高めることが可能です。
これらのシリンダーの指標はメーカーのホームページやカタログなどに記載されているため、新しい鍵を選ぶときの参考にしてみてください。
ディンプルキーで合鍵が作れないのは『登録制シリンダー』
ディンプルキーの中でも『登録制シリンダー』を選ぶことで、他者による合鍵の作成を防ぎ、防犯性を高めることができます。
一般的なディンプルキーは鍵に刻印されている『鍵番号』があれば、メーカーや合鍵屋に番号を伝えることで簡単にスペアキーが作成できてしまいます。
一方で登録制シリンダーは購入時に申請した登録者本人がメーカーに直接依頼して新しい鍵を作成する必要があるため、『鍵番号』だけ入手しても登録者以外の人物が勝手にスペアキーを作成することはできません。
鍵の依頼時には登録した個人情報のほかにパスワードや購入時に付属していたカードが必要になるなど、メーカーによってさまざまな対策が用いられています。
ただ、登録制の鍵は防犯性が高いというメリットがある一方で、メーカーから取り寄せるとなると2~3週間と時間がかかってしまうというデメリットがあります。
防犯性能を調べるのが難しいときは『CPマーク』をチェック
鍵の防犯性を自分で調べるのが難しく感じる方は、『CPマーク』が記載されている鍵を選ぶ方法がおすすめです。
- 【CPマークとは】
- 警察庁をはじめとした建物部品関連の民間団体によって、『防犯性の高い建物部品』と認められた製品のみにつけることができるマーク
約7割の侵入盗が侵入をあきらめるとされる『5分』を基準とし、3段階に分かれて実施されるさまざまな手口に対する厳しい試験に合格した製品ということを表しています。
CPマークが付いている鍵=防犯性の高い鍵ということがわかるため、どの鍵を選ぶべきなのか迷ってしまったときはCP認定錠を選ぶといいでしょう。
防犯性の低いディンプルキーの特徴
ディンプルキーといっても、製品によってはあまり防犯性が期待できないものもあります。
せっかく交換しても防犯性が低い物では意味がないため、どのようなディンプルキーが防犯性が低いのかも知っておくことがおすすめです。
ここでは、防犯性の低いディンプルキーの特徴をご紹介します。
鍵板が短いディンプルキーは防犯性も低い
ディンプルキーといっても、すべてが防犯性が高いとは限りません。防犯性の低いディンプルキーは、『見た目』と『理論鍵違い数』で見極めることができます。
防犯性の低いディンプルキーを見た目で判断する場合は、『鍵の長さ』をチェックしましょう。
鍵は鍵穴の内部に配列されているピンやタンブラーといった部品を、同時に揃えると開錠することができます。
このピンが多数配列されていたり、複雑な並びをしているほど防犯性を高めることができますが、鍵が短いと配列できるピンの数がどうしても減ってしまうため防犯性は低くなります。
また、一般的なディンプルキーの理論鍵違い数は約100億~1,000兆と言われており、これよりも明らかに少ないディンプルキーは防犯性が低いため避けることをおすすめします。
主にドアノブと鍵が一体化しているタイプの廉価品に多いので、交換したい鍵の種類がドアノブと一体化しているタイプならより注意が必要です。
CPマークがないディンプルキーは要注意
ディンプルキーはMIWAやGOAL、KABAといった大手メーカー以外にも、ホームセンターやネット通販では無名のメーカーの製品も販売されています。
無名メーカーの製品は大手の製品に比べて安価な物が多いため、できるだけ費用を抑えて防犯性の高い鍵に交換したいという方は選んでしまう事もあるでしょう。
ただ、こういったメーカーのディンプルキーはCPマークがついていないものがほとんどで、交換しても確実に防犯性が高められるという保証ができません。
一方で大手メーカーのディンプルキーは本体価格がノーブランド品に比べて価格が高くなってしまいますが、ほとんどがCP認定錠となっているため安心です。
ホームセンターやネット通販で自分で鍵を購入するときはCPマークが付いているかどうかを確認し、防犯性の高さを判断することをおすすめします。
ディンプルキーの防犯性能を鍵メーカー製品別に比較
ディンプルキーはMIWAやGOAL、KABAなどさまざまな大手メーカーで展開されています。
また、製品によってもグレードや性能が異なるため、交換する前に比較しておくと選びやすくなると思います。
そこでここでは、ディンプルキーの防犯性能を鍵メーカー製品別にご紹介します。
MIWAのディンプルキーの防犯性能比較表
国内シェア60%以上を誇る日本の鍵メーカー、MIWAのディンプルキーの製品や性能をご紹介します。
主に3種類が展開されていて、それぞれ防犯性や機能性、構造などが異なるためあらかじめチェックする事で交換するときに選びやすくなります。
ここでは、MIWAのディンプルキーの防犯性能を比較したいと思います。
【MIWAのディンプルキーの防犯性比較表】
性能 | PRシリンダー | LBシリンダー | JNシリンダー |
---|---|---|---|
理論鍵違い数 | 1,000億通り | 約261億通り | 約172億通り |
耐ピッキング性能 | 10分以上 | ||
耐鍵穴壊し性能 | G1~G3グレードあり* |
※【グレード】G1:5分未満 G2:5分以上 G3:10分以上
MIWAのディンプルキーはすべてのタンブラーが同時にそろわないと回転しない独自のロッキングバー方式を採用しており、アンチピッキングタンブラーと呼ばれるダミーのピンを組み込むことで、ピッキング耐性が非常に高いという点が特徴です。
また、シリンダー内に複数の高硬度部品を使用することで、ドリルによる攻撃への耐性もあります。
さらに耐鍵穴壊し性能は、G1~G3の3グレードから選ぶことが可能です。10分以上の不正解錠に耐えられるG3グレードのシリンダーはCP認定されているため、より防犯性を高めることができます。
GOALのディンプルキーの防犯性能比較表
日本の老舗鍵メーカーであるGOALの鍵は、関西で広く使用されています。
ディンプルキーも主に3種類が展開されていて、それぞれ防犯性が異なるため比較して選ぶことがおすすめです。
ここでは、GOALのディンプルキーの防犯性能を比較したいと思います。
【GOALのディンプルキーの防犯性比較表】
性能 | GPシリンダー | V18シリンダー | GVシリンダー |
---|---|---|---|
理論鍵違い数 | 120億通り | 120億通り | 1,000兆2,800通り |
耐ピッキング性能 | 10分以上 | ||
耐鍵穴壊し性能 | 5分未満 | 10分以上 |
GOALのディンプルキーはすべてのシリンダーでアンチピッキングを採用しており、耐ピッキング性能は10分以上とピッキングによる解錠はほとんど不可能とされています。
V18シリンダー、GVシリンダーに関してはCP認定製品もあり、より防犯性の高いディンプルキーを選びたい方にもおすすめです。
すべてのピンがステンレス鋼製のため強度・耐久性が高く、防止板によってドリリングによる開錠も防ぐことができます。
KABAのディンプルキーの防犯性能比較表
スイス発祥の鍵メーカーであるKABAはディンプルキー開発のパイオニアです。
国内で唯一鍵の所有者情報をメーカーで管理する『鍵登録システム』を導入していて、他者による合鍵の作成を防ぐことができます。
ここでは、そんなKABAのディンプルキーの防犯性を比較したいと思います。
【KABAのディンプルキーの防犯性比較表】
性能 | KABA ace | KABA star neo | KABA star plus |
---|---|---|---|
理論鍵違い数 | 19億2千万通り | 2兆2千億通り | |
耐ピッキング性能 | 10分以上 | ||
耐鍵穴壊し性能 | 5分未満 | 10分以上 |
KABAのディンプルキーはできるだけ安く防犯性を高めたいという方におすすめなKABAaceをはじめ、より防犯性を向上したい方向けのKABA STAR NEO・KABA STAR PLUSなどがあります。
どのシリンダーも耐ピッキング性能は10分以上と、ピッキングによる解錠はほとんど不可能です。
KABASTARNEO・KABASTARPLUSに関しては鍵登録システムによって所有者の情報を管理することで、不正な合鍵の作成ができないといったメリットがあります。
スペアキーを作成したいときはメーカーにキーナンバー、登録者情報、暗証番号を伝える必要があるため、手間と時間はかかりますが、よりセキュリティの高い鍵を取り付けたい方は、この2種類のシリンダーから選ぶことがおすすめです。
防犯性の高いディンプルキーへの交換にかかる費用
防犯性の高いディンプルキーへの交換を鍵屋に依頼するとき、どのくらいの費用がかかるのかわからなくて不安に思う方もいらっしゃると思います。
鍵屋にて鍵の交換を行う場合は基本的に鍵交換作業費+部品代が発生し、どのような部品を使用するかによって料金が大きく異なります。
ディンプルキーの場合の交換費用は30,000円~50,000円が相場となっており、登録制シリンダーやCP認定錠を選ぶとより高額になります。
どのような鍵の種類を提案するかはどこの鍵屋に依頼するかによって異なるため、最低でも3社以上から見積もりを取ると料金を比較できるのでおすすめです。
鍵屋でディンプルキーを交換した際の料金事例
鍵屋にディンプルキーの交換作業を依頼する場合、どのような製品を取り付けるかによって料金が変わってくるため、正確な料金に関しては現地でのお見積りでご案内しております。
ただ、依頼する前に大体の料金でもいいから知りたいという方もいらっしゃると思うので、ここでは生活救急車で実際に対応したディンプルキーへの交換作業の費用事例をご紹介します。
防犯対策のための玄関鍵交換
玄関の鍵交換依頼で訪問しました。防犯上の不安を感じることがあったとのことで、現状の鍵と別物に変えたいとのご意向でした。
同じ製品(GOAL V18)に交換施工させていただきました。
項目内容 | 料金(税込) |
---|---|
玄関ドアのシリンダー交換 | 11,000円 |
GOAL 部品代 | 16,500円 |
合計 | 27,500円 |
不具合による玄関ドアのシリンダー交換
玄関ドアの鍵が全くささらなくなったとのことで、鍵交換のご依頼をいただきました。
マンションなのですが玄関とエントランスが連動しているMIWAのU9がついており、すぐに連動させることも可能ですし、防犯性の高いディンプルタイプもおすすめですとお伝え。
悩まれた結果、ディンプルキータイプのKABAエースへの交換を行いました。
項目内容 | 料金(税込) |
---|---|
玄関ドアシリンダー交換 | 11,000円 |
KABA 部品代 | 22,000円 |
合計 | 33,000円 |
不具合による玄関ドアのシリンダー交換
玄関扉の鍵が回らないことがあるとのご依頼でした。原因はシリンダーの経年劣化で、対処法としてシリンダーの分解洗浄と交換をご提案し、交換をご依頼いただきました。
高齢のお客様のため、使い勝手がかわり戸惑いがないように、今までと同じタイプのシリンダー(MIWA PR)に交換させていただきました。
項目内容 | 料金(税込) |
---|---|
玄関ドアのシリンダー交換 | 11,000円 |
MIWA 部品代 | 24,200円 |
合計 | 35,200円 |
紛失による玄関ドアの鍵交換
ご自宅玄関ドアの鍵を紛失したとのことで交換をご検討されており、ご相談から承りました。
セキュリティの高い鍵への交換をご希望でしたので、紛失された鍵では解錠できないように登録制のシリンダーに交換させていただきました。
項目内容 | 料金(税込) |
---|---|
玄関ドア シリンダー交換 | 11,000円 |
KABA 部品代 | 38,610円 |
合計 | 49,610円 |
ディンプルキー以外の玄関の防犯対策
最近ではピッキングや鍵穴壊し以外にも『サムターン回し』や『こじ破り』といった、さまざまな開錠手口で侵入を試みてくるため、ディンプルキーへ交換するだけでは不十分です。
さまざまな解錠手口に対応するためにも、他の防犯対策も合わせて行うことをおすすめします。
ここでは、ディンプルキー以外の玄関の防犯対策をご紹介します。
補助錠によるワンドアツーロック
玄関の防犯性を上げるには、『ワンドアツーロック』の対策が効果的です。
これは1つのドアに対して2つの鍵を設置するという対策で、万が一1つの鍵を突破されてしまったとしても鍵がもう一つついていることによって侵入を防ぐことができるというものです。
空き巣などの侵入盗は侵入するまでに10分以上かかる場合は諦める傾向があるといわれているため、鍵を増やして解錠までの時間を稼ぐことによって侵入を諦めさせる効果が期待できます。
補助錠は自分でも簡単に取り付けることができる製品がホームセンターやネット通販で販売されていますが、こういった製品は無理やり破壊して取り外すこともできてしまうため防犯性はほとんど期待できません。
本格的な対策を行うには、ドアに新たに穴を開けて取り付けるタイプの鍵を増やす方法がおすすめです。
ただ、賃貸等の集合住宅にお住いの場合は、勝手に鍵を取り付けたりドアに加工を施すことはできません。防犯対策のために鍵を増やしたいときは、まず管理会社に相談しましょう。
脱着式サムターンでサムターン回しを阻止
最近ではドアスコープやドアポストを取り外して特殊な工具を室内に差し込み、直接サムターン(内側のツマミ)を回して開錠する『サムターン回し』と呼ばれる手口もよく用いられます。
ドアに工具を差し込めるような設備が取り付けられている場合は、サムターンカバーを付ける、防犯サムターンに交換するといった対策を行うことがおすすめです。
サムターン回しの簡単にできる対策としてはサムターンカバーを付ける方法がありますが、強い力が加えられても破損、すぐに取れてしまわないようにスチール製のものを選ぶといいでしょう。
防犯サムターンは『スイッチ式』、『空転式』、『脱着式』などさまざまなタイプが展開されているので、日頃から使いやすいものを選ぶことがおすすめです。
ディンプルキーの防犯性能まとめ
今回は、ディンプルキーの防犯性能についてご紹介しました。
ディンプルキーといってもさまざまな製品が販売されていて、すべてにおいて防犯性が高いとは限りません。
防犯性の高いディンプルキーを選ぶには理論鍵違い数や耐ピッキング性能などの、その製品の性能をチェックする必要があります。
どの鍵を選べばいいのかわからないときは、CP認定錠を選ぶ、鍵屋に相談することがおすすめです。
生活救急車でも、ディンプルキーへの交換作業を承っております。現地でのお見積もりから対応しておりますので、鍵交換をご検討されているときはお気軽にお問い合わせください。