玄関のドアガードの防犯性についてご存知でしょうか。
戸建て・賃貸問わず、玄関に必ずと言っていいほど取り付けられているのが『ドアガード』です。
このドアガードは玄関の防犯性を高めるための『鍵』として認識している方も多いのですが、実はほとんど防犯性はありません。
そこで今回は、ドアガードの本当の役割や、玄関の防犯性を上げるための効果的な対策方法をご紹介したいと思います。
玄関のドアガードの防犯効果はある?
玄関や勝手口などの外につながるドアに、必ずと言っていいほど取り付けられているのが『ドアガード』です。
在宅中の防犯対策として取り入れている方も多いかと思いますが、実はこのドアガード、ほとんど防犯性は期待できないといわれています。
そこでまずは、ドアガードの役割や防犯性についてご紹介したいと思います。
ドアガードの本来の役割は『訪問販売対策』
ドアガードは、『訪問販売や勧誘』の対策として開発された設備です。
ドアガードがドアに取り付けられていなかった時代は、訪問販売員が無理やり室内に押し入り、購入するまで居座るなどの迷惑行為が多く発生しました。
そこで、侵入を防ぎつつ訪問者が誰なのかを確認したり、うっかり出てしまったときでも、しつこい訪問者をシャットアウトできるように、ドアガードが設置されました。
近年ではモニター付きインターホンの普及が増えていることから、本来の目的とは異なり、防犯対策として認識している方が多くなっています。
ドアガードに防犯効果はある?
『使用中は少ししかドアを開ける事ができない』という点から、近年では防犯対策や換気ツールとして用いられているドアガード。
ただ、上の見出しでもご紹介したように本来の目的は『訪問者の無理な押し入りを防ぐ』設備であり、防犯性は考慮されていません。
そのうえ、ドアガードは特殊な方法を使えば、外からでも比較的簡単に解錠することができてしまいます。
YouTubeなどの動画サイトでもその解錠手口は投稿されているため、ドアガードだけの防犯性はほとんどないと考えていてもいいでしょう。
また、ドアガードと同じく訪問販売対策として用いられているドアチェーンも、ペンチなどを使えば簡単に破壊できてしまうため注意が必要です。
玄関からの侵入手口
在宅中にもかかわらず、大胆にも侵入を図る『居空き犯』が玄関から侵入する際は、下記のような手口が用いられます。
侵入手口 | 認知件数 |
---|---|
無締まり | 675件 |
合鍵 | 14件 |
特殊解錠用具 | 3件 |
その他 | 4件 |
- ※特殊解錠用具:ピッキングやサムターン回しなど
- 出典:警察庁 令和4年の刑法犯に関する統計資料
居空き被害の手口として最も多いのが、無施錠が原因となっている被害です。
『在宅中だから』『ちょっと出かけるだけだから』など、少しの気の緩みが被害につながってしまう事があります。
鍵が開いていればより自然に侵入することができますし、何より鍵を解錠する手間が省ける分、短時間で物を盗んで逃げることができてしまいます。
ドアガードがかかっていても、鍵に比べれば簡単に解錠することができてしまうため、無施錠の状態と防犯性はほとんど変わりません。
また、合鍵やピッキング、サムターン回しなどの鍵を不正に解錠して侵入するケースもありますので、鍵の防犯性を強化することも大切です。
玄関ドアの防犯性を高める対策【戸建て】
戸建て住宅は周りから死角になっている位置に玄関があることも多いため、居空きなどの侵入盗に狙われやすくなります。
令和4年に発生した居空きによる被害数878件のうち、684件は戸建て住宅を狙った被害となっているため、日ごろから対策を行っておくべきでしょう。
換気のためにドアガードのみで玄関ドアを開けっ放しにしているなど、無施錠の状態にしているとちょっとした隙をついて侵入されることもありますので注意が必要です。
ここでは、戸建て住宅の玄関ドアの防犯性を高める対策をご紹介したいと思います。
在宅中でも施錠する
玄関からの侵入手口として最も多いといわれているのが、『無施錠』が原因の被害です。
戸建て住宅は部屋から玄関が死角になっている場合も多く、誰かが入ってきたことに気が付かないケースもあります。
鍵がかかっていない分自然に侵入することができるため、周囲の人にも異変に気付いてもらいにくくなってしまいます。
居空きは食事中や入浴中、昼寝中などのちょっとした隙を狙う傾向がありますので、いつでも玄関は施錠しておくようにしましょう。
防犯性の高い鍵に交換する
防犯性が低い鍵を使用している場合、種類によってはものの2~3分もあれば解錠できてしまう場合があります。
ドアガードで防犯性を高めているつもりでも、ドアガード自体も簡単に開けることが可能なため、『解錠が難しい鍵への交換』を検討することがおすすめです。
近年では鍵の表面にたくさんのくぼみが開いた『ディンプルキー』と呼ばれる鍵が主流となっており、ギザギザした一般的な鍵よりも防犯性が高いという特徴があります。
鍵の不正解錠手口としてよく使われる『ピッキング』や『鍵穴壊し』『ドリルでの破壊解錠』など、さまざまな手口に対する耐性を持っています。
メーカーや機種によって機能性は異なるため、交換前に複数種類のディンプルキーを見比べてから選ぶことがおすすめです。
ディンプルキーの種類や特徴は、こちらの『玄関の防犯対策に効果的な鍵とは?対策方法や交換にかかる費用を紹介』のページでもご紹介しているので、合わせてぜひチェックしてみてください。
防犯サムターンへの交換も検討
玄関の鍵は『鍵穴』だけでなく、室内の『サムターン(ツマミ)』が狙われる、サムターン回しという手口で解錠されることもあります。
サムターン回しを防ぐために『防犯サムターン』への交換も行うと、より防犯性を高めることができます。
防犯サムターンの種類は、こちらの『防犯サムターンの種類と特徴!効果や交換費用を解説』のページで詳しくご紹介しているので、合わせてぜひチェックしてみてください。
補助錠を取り付ける
玄関ドアの鍵は『ワンドアツーロック』、1つのドアに対して2つの鍵をつけるという防犯対策が推奨されています。
空き巣などの侵入盗は、侵入までに5分以上時間を要する場合は7割が諦めるといわれており、『防犯対策が強化されていて、侵入しにくそうな家』は比較的ターゲットにされにくくなります。
鍵の数が少ないと、その分簡単に室内に侵入することができてしまうため、鍵の数を増やす対策がおすすめです。
補助錠は市販の防犯グッズとしても販売されていますが、本格的な鍵に比べると強度や鍵の防犯性が低いため、簡単に破壊や解錠ができてしまうというデメリットもあります。
賃貸などでどうしてもドアに穴があけられない場合には向いていますが、しっかり防犯性を高めたい場合は面付錠などの本格的な補助錠を取り入れる方法が効果的です。
玄関ドアの防犯性を高める対策【賃貸】
賃貸はあくまで『借りている部屋』ということもあり、戸建て住宅に比べて行える対策に限りがあります。
ただ、令和4年に発生している居空き被害878件のうち、194件は共同住宅を狙った被害となっているため、対策はしっかり行うべきでしょう。
特にオートロックがついていないアパートなどは、誰でも直接玄関前まで入ってくることができてしまうのでより注意が必要です。
次の見出しからは、賃貸の玄関ドアの防犯性を高める対策をご紹介したいと思います。
データ出典:警察庁 令和4年の刑法犯に関する統計資料
入居時は必ず鍵を交換する
賃貸物件の場合、新築物件でない限り以前の入居者が鍵を持っている可能性はゼロとは言い切れません。
契約内容によっては、事前に管理会社や大家さんが新しい鍵に交換を行ってくれている場合もありますが、入居時に自分で交換を行うケースもあります。
『引越しにお金がかかるし、鍵の交換はしなくてもいいか』と中にはスルーしてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、合鍵による侵入窃盗被害は多く発生しているため、そのままにしておくのは危険です。
近年ではMIWAのU9など、比較的部品代を抑えつつ防犯性も高めることができる鍵も増えているため、なるべく交換を行っておくことがおすすめです。
入居する物件によっては、交換できる部品が決まっている場合もありますので、鍵の種類に関しては管理会社や大家さんに相談してみましょう。
鍵交換はできるだけ立ち会う
管理会社や大家さんの負担で鍵交換を行う場合、中には他の部屋で使っていた鍵を使いまわしている可能性もあります。
離れた物件同士の鍵を使いまわしているなら、ある程度の防犯性を保つことができますが、同じ物件内となると、少々防犯性に不安が残ります。
また、『新しい鍵に交換した』と言っているだけで、実は交換していなかったというケースもあるようです。
このようなトラブルを防ぐためにも、入居の際の鍵交換にはできるだけ立ち会うことをお勧めします。
市販の防犯グッズを活用する
賃貸の玄関の防犯対策を行う際に覚えておきたいのが、『原状回復ができる範囲で行う事』です。
ドアに取り付け穴を開けるなどの、入居時の状態に戻せない加工を施してしまうと、退去の際にトラブルになることがあるので注意しましょう。
賃貸の防犯対策には、下記のような簡単に取り付け・取り外しができる防犯グッズを取り入れる方法がおすすめです。
- 【賃貸で取り入れたい防犯グッズ】
- ・穴あけ不要補助錠
- ・サムターンカバー
賃貸は鍵が1つしかついていない場合が多いため、補助錠を設置して鍵を増やしておくと安心です。
ドア枠に挟み込んで設置するタイプを選べば、ドアに傷や穴を開けずに取り付けられるので退去時も安心です。
また、ドアスコープやドアポストが設置されているドアは、サムターン回しの被害に遭うリスクが高くなります。
特殊な工具を差し込まれても簡単に解錠されないように、サムターンカバーを設置しておく対策がおすすめです。
玄関の防犯対策を鍵屋に依頼した場合
より本格的な玄関の防犯対策を検討している場合は、鍵屋に依頼して鍵の交換や補助錠の取り付けを行うことがおすすめです。
鍵屋ではさまざまな機種の鍵を揃えているため、『セキュリティの高いもの』『安くて防犯性の高いもの』など、ご希望に合った鍵のご提案から行う事ができます。
生活救急車の場合、出張料・見積料・キャンセル料は無料で承っておりますので、まずは見積もりが欲しいという場合でもお気軽にお問い合わせください。
次の見出しからは料金表や施工事例を掲載しておりますので、大体の料金が知りたいという方はぜひ参考にしてみてください。
玄関の防犯対策の料金表
生活救急車で、玄関の防犯対策を行う場合の基本料金表をご紹介します。
鍵屋への依頼を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
作業内容 | 作業料金(税込み) |
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鍵交換 シリンダー交換(開きドアタイプ) | 11,000円₊部品代 |
鍵交換 シリンダー交換(引き戸タイプ) | 16,500円+部品代 |
新規取付(面付錠) | 27,500円+部品代 |
鍵屋に玄関の防犯対策を依頼する場合、どのような作業を行うかによって費用が異なります。
もともと取り付けられている鍵の防犯性を高めたいという場合は、シリンダー(鍵穴)の交換を行う事になり、11,000円₊部品代の料金がかかります。
ただ、引き戸の鍵の場合は基本的に鍵穴のみの交換を行うことができないため、鍵全体の交換が必要になり、16,500円₊部品代が発生し、開き戸の交換費用に比べて高くなります。
また、玄関の鍵を増やしたいという場合は、新たに玄関に取り付け穴を開ける作業を伴うため、27,500円₊部品代~の料金がかかります。
部品代を含むより詳しい料金に関しては、次の見出しでご紹介している施工事例をチェックしてみてください。
玄関の防犯対策の施工事例
鍵屋に玄関の防犯対策を依頼した場合、現場の状況によって行う作業や費用が異なるため、正確な料金に関しては現地でのお見積りにてご案内しております。
ただ、依頼する前に大体の料金でも知っておくと安心できると思うので、ここでは生活救急車で実際に対応した、玄関の防犯対策の費用事例をご紹介します。
防犯対策のための玄関鍵交換
防犯上の不安を感じることがあったとのことで、現状の鍵と別の物に変えたいとのご意向でした。
同じ製品を使用して、交換を行いました。
項目内容 | 料金(税込) |
---|---|
玄関ドアのシリンダー交換 | 11,000円 |
GOAL 部品代 | 16,500円 |
合計 | 27,500円 |
防犯強化のための鍵交換
知り合いに預けた鍵が返ってこず、防犯面が不安とのことでした。
現状より防犯性と利便性の高い、ディンプルキーに交換致しました。
項目内容 | 料金(税込) |
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玄関 シリンダー交換 | 11,000円 |
AGENT 部品代 | 22,000円 |
合計 | 33,000円 |
空き巣被害に伴う玄関の鍵交換
空き巣被害に遭われたとのことで、ご自宅玄関ドアの鍵交換をご検討されていました。
できるだけセキュリティの高いシリンダーをご希望でしたので、第三者による鍵の複製も不可な登録制シリンダーに交換させていただきました。
項目内容 | 料金(税込) |
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玄関ドア シリンダー交換 | 11,000円 |
KABA 部品代 | 38,610円 |
合計 | 49,610円 |
防犯強化目的の玄関錠新規取付
防犯性を高めるため、玄関ドアに鍵を追加したいとのことでご依頼をいただきました。
既存の鍵をディンプルキーに交換する方法と、新たに鍵を取り付ける方法の2パターンをご提案。
ご相談の結果、GOALの鍵を新しく取り付けました。
項目内容 | 料金(税込) |
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玄関ドア面付錠新規取付 | 27,500円 |
GOAL 部品代 | 23,100円 |
合計 | 50,600円 |
玄関の防犯対策は生活救急車にお任せください!
玄関に設置されているドアガードは、もともと訪問販売対策であるため、防犯性はほとんど期待できません。
玄関の防犯対策を行うには防犯性の高い鍵に交換する、補助錠を設置するなどの他の対策を併用するのが安心です。
生活救急車でも、玄関の防犯対策に関する作業を承っております。
取り付けられる鍵の種類の提案や、お見積りから対応しておりますので、お気軽にご相談ください。